東京大学生産技術研究所 長谷川研究室

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先生のプロフィール

長谷川 洋介

長谷川 洋介 (はせがわ ようすけ) 博士(工学)
東京大学 生産技術研究所  准教授

1977年、東京生まれ。
暁星高等学校卒業
東京大学工学部産業機械工学科卒業。
東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻博士課程修了。
2004年から東京大学大学院で特任助手、のち助教。
2010年から2年間、ドイツのCenter of Smart Interfaces, Technical University of Darmstadtにて特別研究員。
帰国後、東京大学 生産技術研究所にて助教、講師。 2015年 8月より現職。

教育方針

自分のやりたいと思うこと、興味あるテーマに自由に挑戦してほしいと思っています。
それができるように私たちはサポートします。
例えば、「船がやりたい!」という学生のために、造船メーカーの研究者と連携して研究ができる体制を作ったり、私たちだけで解決できない問題は、その専門分野の研究者を巻き込んで共同研究を始めることもあります。
上から言われたことをやるのではなく、自分で考えてやってほしい。先生なんか超えてやる!という気持ちでみんなが挑戦している。そんな研究室を作れたら最高です。

私が研究者になった理由

私は修士課程で機械工学を専攻していました。修士1年のころは学校よりも秋葉原へ行く回数が多かったかも。電子パーツを買い込んで、電子工作に熱中していました。また、大学受験では勉強しなかった生物学にも興味があり、自分で勉強したりしていました。それが偶然、地球流体物理学を研究している先生の研究室に興味を持ち、大気や海洋の流れの研究を知りました。それが流体物理学との出会い。もともと物理や数学が好きだったのですっかりハマってしまいました。
やってみると研究は面白く、国内はもとより、ドイツのダルムシュタット大学に2年間滞在したことでヨーロッパ各国にも研究仲間ができ、「会社で働こう」という気持ちは全く起こらず、そのまま研究者の道を歩んできました。そういうのは今の学生さんにはちょっと考えられないかもしれませんね。

みなさんへのメッセージ

夢中になってやれることがある、というのが大切だと思っています。
学生時代は、流体力学、電子工作、生物学などに夢中になり、当時はバラバラに感じましたが、いま自分が進めている研究を見るとそれらが繋がっていることに気づきます。同じ人間が興味を持つことなので、どこかでつながるのでしょう。学生時代は、どう将来繋がるかは考えずに、興味のあるものを自由に幅広く勉強するのが良いと思います。
研究というのは対象となる物やテーマがあって、いろいろな人と議論することができます。
私は学生時代、英語は苦手でしたが、研究をしていると自然に英語も使うようになりました。科学や工学は、どんな分野でも論理を積み上げていく学問です。どの国に行っても、「1+1=2」であることは変わりません。初めて会う人とでも、国籍や年齢や文化の違いなども超えて「研究」についてとことん語り合うことができます。全くのバリアフリー。それはとても素晴らしいことだと思いませんか?
その楽しさを感じるためには、毎日朝から研究室に来て、自分の決めた研究テーマにじっくりと取り組んでください。
当研究室は学部生がいないので、院生一人ひとりに目が届き、丁寧に指導できる環境です。実際、先輩たちは学年上位の成績で卒業しています。研究者として独り立ちできるようしっかり育てていきますので、興味があればぜひ一度研究室を訪ねてみてください。

先輩に聞く!

修士•博士課程の学生5人に聞いてみました!

この研究室を選んだ理由は?
Aさん

流体の研究に興味がありました。前のラボでの先輩がここで研究していて、面白そうだと思ったのが決めてです。

Bさん

コーヒーリング効果に関する研究をやってみたいと思ったからです。共同研究として、他大学から生研の研究実習生として在籍しています。

Cさん

もともと流体に関する研究がしたいという思いがありました。所属研究室が長谷川研究室と共同研究をしており、僕が行う研究の実験や数値解析を行える環境だったため、研究実習生として所属しています。

Dさん

学部の授業で研究室を訪れた際に、研究内容がとても魅力的に見えたためです。

Eさん

他大学で配属された研究室で選択した研究テーマの共同研究先が、東大生研の長谷川研究室だったため、研究実習生として所属しています。
他大学の学生と交流を持てるのが良いと思いました。

ここを選んで良かったですか?
Aさん

学生の数が少ないため、教員が学生によりたくさん時間を割いてくれます。

Bさん

興味のあった研究に着手でき、研究設備も整っているのでほとんど不自由なく研究を進めることができました。
実験と数値計算両方をやっており、また研究テーマも流体力学ベースとして多様で、自分のやってみたい研究がしやすいことに加え、他の分野の観点からのアドバイスがもらいやすいです。

Dさん

自分の研究に対して、日々こまめで丁寧な指導をしてもらえる機会が本当に多いです。

ここでしか体験できないと思うことは?
Aさん

外国人メンバーが多いので異文化交流でき、英語スキルもアップ。
戸田寮での夏合宿は素晴らしいです。

Bさん

数値解析と実験両方の設備が充実しています。 英語に囲まれた研究生活を送ることができます。

Cさん

毎週行われる研究会が英語で行われること。 流体の研究に関して、実験と数値シミュレーション、どちらも行うことができる設備があることです。

Eさん

研究テーマが幅広く、自分以外の学生の研究テーマも学ぶことができます。

研究室の雰囲気は?
Aさん

教員と学生の距離が近く、とても面倒見がいいです。和やか。

Bさん

長谷川先生だけでなく、特任研究員の方や技術職員の方も多くいらっしゃり、学生を気にかけてくださるので、非常に相談のしやすい環境・雰囲気だと思います。

Cさん

一言で言えばグローバル研究室。
学生と研究員の距離が近く、相談しやすいです。研究以外のことも話すことも多々あります。
月に一度程度、研究室全体での飲み会があり、そこでは学生と教員関係なく楽しんでいます。

Dさん

和やかで賑やか。みなさんがそれぞれの研究を楽しんでいると思います。

Eさん

オン・オフがしっかりある明るい研究室。みなさんとても親切で、進捗報告やミーティングで丁寧にアドバイスをもらえます。お菓子を食べながらの雑談や飲み会など、和気あいあい。

困ったことや失敗談は?
Aさん

研究室が比較的小規模なので、同期生が他の大学から不定期で来る学生しかいないのが辛かった。その分、先輩や後輩と仲良くなった気がします。

Cさん

実験中に、使用する装置を壊してしまったことが失敗談です。その後、機器の使用方法を再確認するためと、他の人に同じ経験をしてほしくないということを考え、実験機器の使用手順や注意事項をまとめて説明書を作成しました。

Eさん

英語での進捗報告は準備が大変でしたが、報告を留学生に評価してもらえたことは忘れられません。

海外や企業など外部との交流については?
Aさん

Darmstadt大学との交換留学プログラムで、2ヶ月間ドイツで滞在して研究しました。そこでは乱流のモデリングにおいて世界的な研究者である Jakirlic教授と直接議論して、アルゴリズムの導出、計算コード開発を行いました。一流研究者と語り合い、自分の論文の指針を明らかにできたことは、非常に有意義な体験でした。週末は、中世の趣を残す街並みをライン河を渡る船の上から眺めたり、ワインを楽しんだり、様々な場所へ行きました。
ドイツ語しか通じない所も多く、ドイツでの日々はある種、冒険だったと思います。そのような機会が与えられたことはとても嬉しかったです。

Bさん

出身大学と比べると、東大生研は海外からの学生が多く、国際交流は盛んだと思います。また、研究の半分ほどが他大学や企業との共同研究であり、非常に外部との交流が盛んです。5大学が参加する「乱流制御研究会」で他大学の研究室の様子や研究について聞けるので、非常にいい機会になっています。

Dさん

海外から留学生が研究室に来ることが多く、交流の機会はとても多いと感じます。
共同研究も盛んで、それを通じて企業へ訪問する機会も多く(年に4回程度)、卒業後のキャリアパスを考える上でも有利です。

Eさん

海外との共同研究が盛んなこともあり、海外から大学の先生が訪問されて、その方たちの講演会、セミナーに参加できます。

この研究室で学ぼうと考えている人へのアドバイス
Aさん

当研究室は公用語が英語であり、プレゼンから飲み会まで英語で会話をするので、英語で喋るスキルを身につけたい人にオススメ。私のように、留学に行かせてもらえることもあるかも?
やっている研究はどのテーマも面白い内容で、やりがいのあるものばかりだと思います。
学部4年生の頃は本郷の研究室にいて、場所として生研には行きたくないと思っていたのですが、いざ通い始めるととても素敵な研究室でした。いいと思う研究があるのならば、場所だけで選り好みせず、飛び込んでみるといいと思います。

Bさん

研究室を閉める時間が19時と決まっているので、そのあとの時間を趣味などに使うことができます。そのため普段からの研究計画が大事になりますが、長谷川先生に一日のタスクを送ってアドバイスをもらえるので、効率良く作業することができます。
キャンパス近くにご飯どころが少ないのが欠点ですが、電車で5分ほどで渋谷に出られるので、アクセスはいいですよ。

Dさん

研究内容を聞いて少しでも興味が持てたなら、その興味に沿うような研究を一緒に考えてもらえるため、ここへ来ることをおすすめします。

Eさん

場所などではなく、興味のある分野の研究室を選択するべき。オープンキャンパスなどで見学するといいと思います。
長谷川研究室は、世界基準で新規性があり面白い研究ができる点がおすすめ。
研究に熱中できる環境があり、先輩や先生から丁寧にアドバイスをもらいながら、自分のやりたいことを自由に研究できています。

定例会やイベント

研究発表会

毎週月曜日、毎回2名が、自分の研究について発表。一人あたり年間4回程度、発表の機会があります。 自分の研究について、他の人にわかりやすく論理的に正確に伝える訓練になります。 他のメンバーの質問から問題の解決法やヒントを得ることも多いです。

ジャーナルクラブ

研究発表会の前に開催。最近の論文で自分が興味を持ったものを他のメンバーに紹介し、情報共有します。 最新の論文をたくさん読み、英語にも親しむことで、研究者としての知識や基礎力が培われます。

「研究発表会」「ジャーナルクラブ」は全員参加です。

研究室で研究できるのは平日は19時まで。土日も研究禁止です。 その理由は、一人で夜遅くや週末に実験などをしていて不測のトラブルが生じた場合、教員が対応できないということと、もう一つは、朝からきちんと大学に来て、計画を立てて研究する癖をつけるためです。論文提出や学会発表の直前であっても居残りは認めていません。最初から余裕を持って計画を立てましょう。

グループミーティング

研究テーマにより、4〜5のグループを作っており、各グループごとに2週間に1回程度、ミーティングがあります。

企業訪問

産業界との共同研究が多いため、それらの企業を訪問する際、学生を同行するようにしています。訪問先は自動車や重工業関係が多く、オフィスや研究所、工場など年に3〜4回は出向いています。(交通費や宿泊費は支給)
会社や職場の雰囲気を直に体験し、働いている方から直接話を聞けるチャンスでもあり、それを機に就職先として考える学生もいます。ぜひ積極的に参加してください。

夏合宿

西伊豆の東大戸田寮で2泊3日。海で泳いだり花火をしたり、のんびりと夏を満喫します。研究の話は一切しません!

BBQ

生産研キャンパス内にて、年2回程度。仲のよい鹿園研究室や加藤研究室と合同で開催しています。

カラオケ

日本人が中国語で歌ったり、イタリア人が日本語で歌ったり、もう無茶苦茶。夜が明けるまで熱唱!これも年に2回くらい。

各国料理を食べる

学内に調理スペースがあるので、留学生が自国の料理を作ってくれます。中国の鍋、インドの鍋を食べ比べてみたり。おいしい店を見つけたらみんなで食べに行くこともよくあります。

学生さんからのFAQ

Q

Q. 専攻するにあたってどんな知識・準備・勉強が必要ですか?

A

流体力学、物理学、数学などが好き、得意だと良いでしょう。
大学で上記をちゃんと学んで理解していれば大丈夫。基礎力が大切です。
勉強ではないですが、立花隆や司馬遼太郎の本を読んでおくといいと思います。本の内容も勿論ですが、彼らは、たくさんの文献を調査し、バラバラに散らばった知識をジグゾーパズルを組み立てるように、真実に迫ります。それは実は研究と非常に似ているのです。研究のイメージをつかむために、一度読んでみてください。

Q

Q. どんな研究設備・機器が揃っていますか?

A

「風洞実験装置」 ロボットで流れの発生源を探索する実験で使用します。研究室で自作しました。
「性能評価装置」 最適化で得られた形状を3Dプリンタで造形し、その性能の実証を行う実験装置。研究室で開発しました。
「PIV計測システム」レーザーを流体に当てて、ハイスピードカメラで得られた粒子画像から、2次元レーザー面内の速度分布を計測するための装置。
「LDV計測システム」同じくレーザーを用いた流速計測システムですが、LDVでは、2本のレーザーの交差点における速度を精度良く測ることができるため(点計測)、目的に応じてPIV計測システムと使い分けています。
「共焦点マイクロPIVシステム」 微小空間における微粒子の運動を観察します。
「デジタルマイクロスコープ」 粒子やマイクロミキサーなど小さなものを見るための顕微鏡。
「旋盤」 ちょっとした部品ならここで作成できます。
「3Dプリンタ」 数値計算で得られた最適形状を、すぐ形にすることができます。様々な熱流体デバイスの最適形状を造形し、検証するのが目標です。また、実験で使う治具を手軽に製作するのにも重宝します。
「高性能計算機クラスタ」 複数の計算コアによる並列計算により、小中規模の計算を比較的短時間で実行できます。さらに大規模な計算では、東大の情報基盤センターのスパコンや「京」を利用することもできます。

Q

Q. 配属された場合、研究テーマどのように決まるのですか?

A

研究室としてはいろいろなテーマがあるのですが、基本的に本人の希望があれば、それに合わせたテーマをやってもらいます。
ぜひあなたのやりたいことを聞かせてください。
意欲・能力の高い人には、本人が希望すれば、自らの修士論文や博士論文のテーマに加えて、国のプロジェクトや産業界との共同研究にも参加する機会を与えています。通常、修士論文や博士論文では、長いタイムスパンを想定した基礎研究を行います。一方、産業界とのプロジェクトは、今、現場で直面している課題に触れる良い機会になるので、社会に出る前の準備として有効活用してほしいです。なお、上述の追加で行う研究については給与を支給します。他でアルバイトをするより研究に打ち込めるのでいいですよ。ただでさえ自分の論文で忙しいのに、他のプロジェクトをやる余裕があるのか?と思う人もいるかと思いますが、実際、私たちの研究室では修士課程の2年目にもなると、大部分の学生が修士論文以外の研究プロジェクトに携わっています。

Q

Q. ロボットの研究がしたいのですができますか?

A

はい。研究室内でロボットを作り、風洞実験において汚染物質源探索に関する研究を行っています。私たちの研究室だけでできないようなテーマの場合は、他の研究室や企業などと連携した研究体制を作っていきます。自立型海中ロボットを使った資源探査の研究は生研の巻先生と共同で行っています。生研は、柏に大きな実験設備を有しており、大型回流水槽において、海中ロボットを用いた実験も行っています。

Q

Q. コンピュータプログラミングは未経験ですが大丈夫ですか?

A

全く問題ありません。配属後に学べます。
ちなみにプログラム言語は、FORTRAN、Python、MATLABなどを使っています。
プログラミングよりも、流体力学や数学の基礎力が重要ですね。

Q

Q. 研究室の見学はできますか?

A

大歓迎です。気軽にメールなどでご相談ください。

Q

Q. 先輩たちの卒業後は?

A

まだ4年目の研究室なので卒業生は少ないのですが、飲料メーカー、自動車メーカーや化学メーカー(サントリー、トヨタ自動車、旭硝子、キャノン、富士通)などへ就職しています。企業との共同研究を多くやっているせいか、企業で研究職に就く人が多いです。